不思議旅行案内 長吉秀夫 -4ページ目

発売中

TV番組ガイド雑誌のテレビブロス から原稿依頼があった。

企画連載の「ウィキナオシ!」というページでウィキペディアの「大麻」の項を自分勝手に直して欲しいとの要望だ。

不思議旅行案内 長吉秀夫-TVBros2

2名の若い編集者たちに打合せの時に聞いた。

「本当に僕でいいの?徹底的に大麻を肯定する立場で書いていくけど」

すると彼らは

「かまいません。自由に書いてください」

と真剣な表情で言った。

普段の「ウィキナオシ!」は、芸能人などのウィキのページを本人が直すというものらしいが、今回は大麻をターゲットにしたとのこと。それも、いつかやりたかった企画だと彼らは熱く説明してくれた。

ならば、と僕も本腰をいれて原稿を書き始めている。

そして、その一回目が無事8/31に発売された。


不思議旅行案内 長吉秀夫-TVBros1

全国の書店やコンビニで売っているので、よかったら手にとってみてください。

一般紙、しかも全国で20万部以上もうれている雑誌で大麻についての原稿依頼がくるとは、大麻を巡る状況もかなり変化しているということだろう。

マリファナマン

すっかりご無沙汰しています。

311以降、世の中の価値観が大きく変化しています。僕たち日本人が戦後初めて立ち止まり、今までを振り返り、ようやく一歩目を踏み出せ始めたのではないでしょうか。

僕も数回被災地へ伺い、僕に出来ること、しなければいけないことをひとつづつはじめています。



さて、先日、ボブ・マーリーの息子のジギー・マーリーに会ってきました。

不思議旅行案内 長吉秀夫

彼は父親と同じくレゲエシンガーで、彼のライブパフォーマンスは、父親譲りの深みのある声で、かなりいいです。

そんなジギーが2月にアメリカでコミックスの作家としてデビューしました。作品の名は「マリファナマン」

エクソダスの戦士たちと共に、悪の資本家たちに立ち向かう主人公のマリファナマンが、仲間たちとマリファナパワーに助けられて、悪の一味をやっつけるというヒーローもののコミックスだ。

不思議旅行案内 長吉秀夫

単純なストーリィだが、その奥にはたくさんのメッセージが詰まっている。

絵もカッコよく、おしゃれな部屋に置いておきたくなるデザインである

この「マリファナマン」の日本語版が9/末に明窓出版から発売される。

今回は、サマーソニックのために来日していた彼と本のプロモの打合せをすることになり、ライブの楽屋にお邪魔した。麻のよさや今回の本への思いなどをインタビューして、最後は僕の著書「大麻入門」をプレゼントした。日本語だから読めないけど、今度英語版がでたら送るよと約束しました。

すると、彼からは「マリファナマン」にサインをしてくれた。ありがとう

不思議旅行案内 長吉秀夫

「マリファナマン」は明窓出版で予約受付中だそうです。よかったら是非読んでみてください!


巴馬ロハスカフェ 

昨日、銀座みゆき通りにオープンする「巴馬ロハスカフェ」のオープニングレセプションに行ってきた。

不思議旅行案内 長吉秀夫
巴馬は「バーマ」と読み、中国広西チワン族自治区というところにある県だ。山を越えればベトナムという場所にあり、日本と民俗学的にも深い関係があるという。
この地域では、大麻の栽培が古くから行われており、村人たちは大麻の種である麻の実を食材として利用している。彼らは毎朝、麻の実ととうもろこしの粉と米を入れたお粥を食べており、そのことも関係して、100歳を超えるお年寄りが現役で野良仕事をしているという長寿村としても知られている。

そんな巴馬の自然と長寿にあやかろうと、銀座の真ん中で麻の実料理を食べさせるのが「巴馬ロハスカフェ」という訳だ。
総合プロデュースには、ロハス雑誌の「ソトコト」の小黒一三氏が担当している。
この店を日本でのパイロット店として、巴馬をアピールし、3年後には現地をロハスリゾートとしてオープンするため、現在開発中らしい。
ロハスのリゾートを開発するという、なんとも矛盾に満ちたコンセプトも見え隠れするが、ともあれ、麻の実料理がこれほど注目されることはうれしいことだ。
肝心の料理も、少し上品すぎる感じもするが、美味しかった。
当日は、報道陣や政治家、財界人なども入り混じり、大変盛況だった。

不思議旅行案内 長吉秀夫


今日、1/19からオープンということなので、銀ブラの際は、是非、お立ち寄りください。
巴馬ロハスカフェ


お知らせです

大麻禁止政策の輸出国アメリカで進む大麻容認の流れ。一方、日本では未だに大麻について誤解している国民が多く、医療大麻について知る人は少ない。 この現状をどう捉えればいいのか、そして、ど
うすればいいのか。各分野で取り組みを続ける諸氏の見解を聞き、ニッポンの医療大麻を考える。

NPO法人医療大麻を考える会主催緊急シンポジウム
「どうなる?どうする?ニッポンの医療大麻」
日時:11月20日(土)開場12:30 開演13:00-
場所:NPO法人医療大麻を考える会池袋事務所
〒170-0013 東京都豊島区東池袋2-45-8エコービル202号室

●第1部:シンポジウム
「どうなる?どうする?ニッポンの医療大麻」
13:00-17:00
参加費:NPO会員500円/非会員1,000円

※飲食物の持ち込み自由。アルコール、ジュース、お菓子、弁当、ご自由に。ゴミは持ち帰り下さい。
※会場にもビール「麻物語」などの販売コーナーあります。

(Ust中継・ツイッターで質問募集)
◆パネラー
長吉秀夫(進行・「大麻入門(幻冬舎)」著者)
前田耕一(NPO法人理事長)
鈴木秀明(NPO法人事務局長)
森山繁成(大麻草検証委員会代表)
赤星栄志(Hemp Revo,Inc代表・「ヘンプ読本(築地書館)」著者)
白坂和彦(大麻報道センター主宰)
カンナビスト運営委員(予定)

テーマ
★基調報告
「NPO法人医療大麻を考える会」設立の経緯
★ニッポンの大麻を巡る現在の状況
・パネラーのみなさんの報告
★個別テーマ―医療大麻を考える前提として
・マスコミ報道に見る大麻
・大麻と官僚支配
・医療と産業と嗜好の関係
★では、どうすればいいか?
・患者の声
・海外の実際
・法制度
・今後の課題

●休憩:1時間の食事休憩
17:00-18:00

●第2部:JMMAオールナイト・トークバー
 語り尽くそう、今夜。
18:00-05:00
会場費500円以上のカンパをお願いします。
※飲食物の持ち込み自由。アルコール、ジュース、お菓子、弁当、ご自由に。ゴミは持ち帰り下さい。
※会場にもビール「麻物語」などの販売コーナーあります。

(Ust中継アリ・会場やツイッターと対話)
・聞き手:白坂
・ダダ漏れゲスト
麻枝さん
森山さん
長吉さん
赤星さん
根岸さん(420Japan)
ナタラジャさん

・DJ PHO

イベントのお知らせ

10月に麻のイベントを開催します。
今回は、「大麻ヒステリー」の著者で、環境問題にも詳しい武田邦彦教授にも話をしてもらいます。
内外の大麻事情についてのびっくりするような情報も出てくると思いますので、皆さん是非お越しください。僕も出ます。

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大麻草検証委員会 第1回イベント 「麻と人類文化を考える国民会議 1017」

大麻草についてより深く理解し、大麻草で人の和を広げていこうという主旨のイベントです。栃木農業高校の麻で地域おこし活動の発表、中部大学教授・武田邦彦氏や大麻草スペシャリストによる講演、ライアの奉納演奏やサヨコ・カンナビーナ&麻楽団によるライブ演奏など盛りだくさんの1DAYイベントとなります。麻製品の展示もあります。

日   時  :   2010年10月17日(日)
            開 場 12:30  開 演 13:00  終 演 20:40
会   場  :  代々木 全理連ビル 9階ホール (東京都渋谷区代々木1-36-4)
  ※全理連ビルは、JR「代々木」駅北口または都営地下鉄大江戸線「代々木」駅A3出口を
  出ると、道路を挟んですぐ正面に見えるビルです。1階はマクドナルドになっています。 
参 加 費  :  前売り 3,000円 
参加方法  :  事前にこちらのメールフォームからご予約をお願いいたします。
        参加費のお支払いは、当日受付にてお願いいたします。


内容と出演

第1部  13:00~16:50
   ライア奉納演奏 : 池末みゆき
   基調講演 :   武田邦彦(中部大学教授) 「大麻問題を科学的・論理的に考える」
   講  演 :   森山繁成 「大麻草を通して見る国家と民主主義」
           丸井英弘 「大麻取締法の問題点」
           赤星栄志 「衣食住に麻のある自然生活の実践」
           長吉秀夫 「ロックカルチャーと医療大麻」
           中山康直 「よみがえらせよう日本の国草」

休 憩  16:50~18:00
    「医療大麻を産業に」ビデオ上映
    「大麻が森林を救う」ビデオ上映

第2部  18:00~20:40
   研究発表 : 栃木県立栃木農業高校 「麻の郷とちぎの伝統工芸を次世代に」
   検証委員会フリートーク : 森山・丸井・赤星・長吉・中山
   ライブ演奏: カンナビーナ・サヨコ&麻楽団

アメリカの医療大麻事情と日本のマスコミ報道

8月31日のワールドビジネスサテライトで、米国の医療大麻について放映された。朝日新聞、読売新聞など、このところかなりの紙面を割いて、様々な報道機関が医療大麻についての報道を行っている。報道内容は様々で、中には朝日新聞の報道のように偏向を感じるものもあるが、WBSのリポートは中立に行われていると感じた。

http://www.tv-tokyo.co.jp/wbs/highlight/img20100830_wb_o1.html


2010年11月2日に、カルフォルニア州では医療ではなく嗜好用大麻の是非を巡る住民投票を行う。そのため、全米のプライムタイムのTVでも、大麻についての議論をオープンに行っている。

大きな問題点に直面した時に、思考停止に陥ってしまう日本社会との違いについて、考えさせられる。

昭和の本気度

先日、父とともに野尻湖にある山荘へ行った。諸用があったため、珍しく父に同行したのだが、こんなことは数十年ぶりのことである。たまには親孝行もいいか、との思いで同行した。若い頃は父に反発ばかりしていたのだが、この歳になるとどうも僕は父に似ているようだと思うようになった。
山荘に着くと、僕は読めていなかった本をずっと読んでおり、父は窓際の小机でずっと書き物をしている。口を開くと、昔のように言い合いになってしまうような気がして、僕は黙って本を読み続けていた。やがてあたりが暗くなり、山荘に明かりを点けて再び本を読み始めた僕に、「無駄な明かりは消しなさい」と、父は書き物から顔も上げずに言った。昔ならば、ここで減らず口の一つも叩いたよな、と思いながらも、スイッチを消してテーブルへ戻った僕は、再び本を読み続けた。
夕闇の林の間から、ひぐらしの声が聞こえていた。


先週末に、ある会合に参加した。
「スカットクラブ」という名のその会合は、新しいトランプゲーム「スカット」を楽しむサークルだ。
お誘い下さったのは、大学の先輩である小柴先輩である。小柴先輩は明治大学のOB会である『紫紺クラブ』の名誉会長でもある。先輩といっても、僕よりもずっと以前に大学を卒業された大先輩である。以前にこのブログでも紹介した『風になった伝書猫』の著者である田村元ちゃんに紹介された縁で、今回、この会合に参加したというわけだ。スカットは小柴会長が考案したトランプゲームで、「大貧民」をシンプルにしたようなゲームだ。ルールは大貧民ににているが、しかし、その志しはそれとは真逆で、徹底的に弱者を救済するための心遣いが施されている。大貧民をやった方はご存知だろうが、あのゲームは富豪になったものが徹底的に貧民にプレッシャーをかけ続けるゲームである。貧民続きの時の悔しさたるや、ひどいものである。お孫さんたちとの大貧民で、その悔しさや理不尽さに疑問を感じたのだろうか、小柴会長の考案したスカットには、先に述べたように、徹底的な弱者救済の精神が流れている。はじめは、たかがトランプとたかをくくっていたが、始めてみるとすぐに熱中してしまった。しかし、結果は惨敗。いくら弱者救済のゲームでも勝負である。諸先輩方は容赦ない。女性の先輩に6連敗を喫してしまった!聞くと、彼女は小柴先輩とともにスカットを考案した方で、女流作家の山崎厚子女史だというではないか。強いはずだ。
秋瑾 火焔の女(ひと)/山崎 厚子

¥1,785
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             不思議旅行案内 長吉秀夫-スカット
         
いつもはあまり接することの無い年齢層のみなさんと、数時間ではあるが本気でトランプゲームをして、改めて感じたことがある。それは、彼らはいつも熱い思いを持っているということだ。
「よく学び、よく遊べ」とは、僕らも子供のころに言われ続けてきたことばだ。しかし、僕は自分の子供たちに同じことを言い続けてきただろうか?
昭和の先輩たちの中にある本気度を垣間見て僕は、親たちに言われてきた言葉の大切さを少しずつ感じるようになってきたことに気付いた。


「麻ひらき」イベント vol.2 ~麻と生活~ in 鎌倉「麻心」

不思議旅行案内 長吉秀夫-由比ガ浜

すこしご無沙汰しています。暑いね。
麻のイベントをやります。鎌倉由比ガ浜の「麻心」というお店でやります。
大麻の話、自然の話など皆と語り合いながら、奈良さんのアフリカンビートとレゲエのリズムで盛り上がりましょう!
是非、遊びに来てくださいね。
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「麻ひらき」イベント vol.2 ~麻と生活~ in 鎌倉「麻心」
鎌倉市長谷2-8-11
電話0467-25-1414
江ノ島電鉄「長谷駅」から徒歩6分

1部 トーク&座談会:
丸井英弘(弁護士)
長吉秀夫(「大麻入門」著者)

テーマ 「カリファルニアにおける医療・し好大麻事情」と「日本における大麻取締法の問題点」

2部 音楽ライブ
奈良大介&ヒロ・カリエンテ

入場料 2000円
日時 2010年8月27日午後7時頃より

幕末最後の忌部呪術



謎の狛犬のことを考えていたら、あることに思い当たった。

幕末に突如日本に巻き起こった「ええじゃないか」という出来事である。

「ええじゃないか」とは発祥場所には諸説あるが、慶応3年7月に渥美半島の根元に位置する現在の愛知県豊橋市付近に突如、伊勢神宮のお札が空から降ってきたことで、民衆たちが熱狂し、「ええじゃないか えじゃないか」と叫び踊りながら伊勢神宮を目指していったという幕末の事件だ。

この「ええじゃなか」の背後には忌部氏と大麻の存在があるのではないかと考えたのである。


黒船の来襲や討幕運動による政情不安や経済不安定などにより、国中の民衆に漠然とした不安と不満が募っていたこの時期に、突如伊勢神宮のお札が空から降ってきたのだから、これは神様のご加護のしるしに違いない!と多くの人々が狂気したのもうなずける。伊勢神宮に向かう人々は集団が進むにつれて多くなり、途中の宿場では集団に対して食事や酒を振舞うものもでてきたという。


『日本国のよなおりはええじゃないか

     ほうねんおどりはお目出たい
     おかげまいりすりゃええじゃないか

              はぁ、ええじゃないか』


       不思議旅行案内 長吉秀夫-ええじゃないか

「ええじゃないかは、日本の江戸時代末期の慶応3年(1867年)7月から翌明治元年(1868年)4月にかけて、東海道、畿内を中心に、江戸から四国に広がった社会現象である。天から御札(神符)が降ってくる、これは慶事の前触れだ、という話が広まるとともに、民衆が仮装するなどして囃子言葉の「ええじゃないか」等を連呼しながら集団で町々を巡って熱狂的に踊った。」ウィキペディアより


「ええじゃないか」の影には、討幕派による陽動作戦とか、幕府による民衆不満へのガス抜きのための仕掛けという見方も存在する。


ところで、「ええじゃないか」の発祥地といわれている渥美半島は海洋民である忌部氏と深い関係がある。

海洋忌部とゆかりのある海洋民に安曇(あずみ)族という民がいた。彼らは海洋忌部たちとともに海を移動し、古代天皇家の料理役として仕えていた。彼ら安曇族の痕跡は、各地に残っている。長野県の安曇野とか安曇という地名もそれに当たる。安曇神社などもそうだし、TBSアナウンサーの安曇さんもその末裔だろう。そして、「あずみ」という音が変化したもののひとつが「渥美半島」である。これは「安曇:アヅミ」が「渥美:アツミ」に変化したものだといわれている。


東四国を本拠地とする、忌部氏が率いた海洋族たちは、黒潮を利用して紀伊半島、渥美半島、伊豆や房総半島に上陸し、その影響力を強めていった。

その土地のひとつである渥美半島に、慶応年間最後の年に伊勢神宮のお札が突然空から降ってきたとはいったいどういうことなのだろうか?

もしかしたら、大麻比古神社の狛犬と関係があるのかもしれない。


伊勢神宮は忌部氏に大変ゆかりの深い神社である。そして、伊勢神宮のお札は「神宮大麻」とよばれており、その昔は大麻繊維或いは葉そのものが入っていたとも言われている。そして、この大麻を管理していたのが忌部氏なのである。

忌部氏はクオリティの高い麻の種や穀物の種子の生産と流通も握っており、種まき時期などの知識も豊富だった。そのため、伊勢神宮では神宮大麻とともに、農耕時期をみることができる伊勢暦も毎年発行し、全国にネットワークを張り巡らせていた。それらの情報やコンテンツを握っていたのが忌部氏なのである。


大麻比古神社の狛犬は、慶応年間に寄進されたという。そして、そこに描かれている人物は、大麻を吸っているのはほぼ明らかだ。ということは、この時点で忌部氏たちは、神事やそれに関連する場面で、大麻草を吸ってトランス状態になることがあった可能性が高い。


渥美半島の豊橋に突如「神宮大麻」が降ってきたとはどういうことなのか?なぜ民衆は熱狂したのか?

もしかしたら、初動での神宮大麻とは大麻草そのもののことではないだろうか?

一説によると、ええじゃないかの行列の中には、大麻草を掲げながら踊っていたものもいると聞く。

四国の呪術集団忌部たちが海路渥美半島に移動し、彼らのネットワークと大麻によって、集団的な熱狂を起こしていったということは考えられないだろうか?

神宮大麻を空にばら撒き、それとともに、民衆に紛れた忌部氏のエージェントたちが大麻を多くの人々に吸わせて、或いは護摩焚きに入れて、トランス状態の中で誘導して行ったということがあったのではないだろうか?


神代の時代から国の安泰を願ってきた忌部氏たちにとっても、幕末の状況は危機的なものだったに違いない。

そして、討幕による天皇政治の復活は、もしかしたら忌部氏が再び表舞台に登場するチャンスだと考えていたかもしれない。

当時、イギリスの植民地だったインド、そして、東インド会社を通じて、インド大麻はすでに欧米へと流通していた。

討幕側に取り込まれていった天皇家側である忌部氏たちは、グラバーをはじめとする欧米のエージェントたちとなんらかのコンタクトがあったか、その影響下にあったと考えても不思議ではない。

その中で、忌部氏は「ええじゃないか」という集団催眠のような狂乱を、強力な印度大麻を使って巻き起こしたのではないだろうか?そして、一度引き起こされた熱狂は、手を触れずとも次々と全国に飛び火していったのかもしれない。


『さりとてはおそろしき 年うちわすれて
  神のおかげで踊り ええじゃないか
  日本のよなおりは ええじゃないか
豊年おどりは おめでたい
日本国へは神が降る
唐人やしきにゃ 石がふる

 ええじゃないか  ええじゃないか』



慶応3年1867年7月に突如始まった「ええじゃないか」は、その年の12月9日の王政復古発令をピークに、徐々に鎮火していった。

そして、天皇の玉座が、再び歴史の表舞台に現れたのである。

謎の狛犬

大麻比古神社には不思議な狛犬がいる


不思議旅行案内 長吉秀夫-狛犬と桜


本殿境内の手前に控えている狛犬がそれだ。

一見何の変哲もない狛犬だが、左の狛犬、つまり「阿吽(あうん)」の「吽(うん)」の狛犬、口を閉じているほうの狛犬に不思議がある。

ちなみに、ご存知の方も多いが、狛犬は片方が口をあけていて「阿(あ)」、もう一方が口を閉じ「吽(うん)」といっている。

すべての始まりである「阿」とおしまいである「吽」を合わせて、宇宙を現しているといわれている。

さて、そのおしまいの方の狛犬の右前足に、奇妙な人物の彫り物がある。

そのアップが下の写真だ。


不思議旅行案内 長吉秀夫-狛犬のアップ


人物を右側から描いたものだが、この人、何かたくさんの煙のようなものを口から吐いているようだ。

インドのチラムと呼ばれているパイプを咥えているようにも見える。

大麻に感心のある人は、ここを訪れると、皆、この彫り物を見学するようだ。


では、いったいこれは何なのか?

神社の方に聞いてみると、この人物についての文献は残ってないという。

では、寄進されたのはいつごろかと聞くと、慶応時代だとのこと。

なるほど‥

幕末から明治にかけての激動のころ、多くの外国人や文明が海を越えて続々と押し寄せてきた時代に、

この狛犬が寄進されたのである。

狛犬や鳥居や灯篭などを寄進する際、その形状や大きさについては、基本的に寄進する人が自由にデザインする。

その自由度は思いのほか幅広いと聞く。

であるならば、昔からの大麻の里に訪れた大陸や南方の人やその文化に触れた人が、

大麻の神秘性を訴えるために、この狛犬を寄進したのかもしれない。

夢は広がるばかりだが、未だに謎だ。