謎の呪術集団 忌部 | 不思議旅行案内 長吉秀夫

謎の呪術集団 忌部

古代天皇家に使えた呪術師集団には、二つの大きな流れがある。

そのひとつは中臣(なかとみ)氏である。中臣氏は大化の改新以降、急激に力をつけ、中臣鎌足をはじめとして常に権力の表舞台で活躍しつづけてきた。

そして、もうひとつの流れが、忌部(いんべ)氏である。

彼らは中臣同様に天皇とともに古代日本に現れ、司祭として日本の神事を行ってきた。

現在でも伊勢神宮をはじめ、主要な国家神事の裏方として、常に忌部氏の姿がある。

かれらは鳥と船と石をキーワードとする集団であり、麻とも大変ゆかりが深い。

黒潮をはじめ、地球上のあらゆる海流や気流を使いながら、ダイナミックに移動し続けてきたと考えられる。

忌部氏については個人的に以前から大変気になっていたのだが、今回、忌部ゆかりの土地である徳島へ取材をかねて行くことになった。

そこで、徳島で忌部の研究をしている林博章氏の「日本の建国と阿波忌部」という本を読み始めた。


不思議旅行案内 長吉秀夫-忌部本

これが、実に詳細に研究されており、かなりのボリュームである。

著者の林さんは地球環境や環太平洋の研究を行いながら忌部の研究に深く入っていったようだ。

一度、林さんの講演会の映像を拝見したが、忌部についての話が次々と繰り出される様子に圧倒されてしまった。

今回は、フィールドワークの最後に林さんとお会いできるのではないかと今から楽しみにしている。

古代日本から地球全体を見渡すとどんな風景がみえるのだろうか?